実践とは何か?前回の印部さんの問いを受けて、実践理論で実践がどう捉えられているのか、その歴史的経緯を含めて共有しながら、なぜコパイロツトにとって実践理論が重要なのかについて説明します。実践理論は「実践が社会を形作っている」とする理論群の総称で、過去にギデンズ・ブルデュー・エスノメソドロジー・実践共同体・活動理論・フーコー・シャツキーなどがあり、2000年にPractice Turn(実践的転回)が叫ばれてから着目されるようになりました。必ずしも個人の意志でコントロールされないし、一方で社会的制約に完全に従うわけでもない「実践」というものを、どのように理解すべきか。その理解に従えば、どこまで社会現象や当事者のジレンマを説明できるのか。1つ1つの理論を眺めるのは2年前のブログ記事に委ねますが、ここでは実践共同体を例に実践理論が与える解像度であったり、「実践」に着目する意義としてコパイロツトの実践と接続できる可能性を紹介します。